病気のお話

狭心症

心臓が働くために血液を供給しているのが、心臓の表面を取り巻いている冠動脈という血管です。この冠動脈の内腔の一部が狭くなり血液が流れにくくなるのが狭心症です。狭心症の原因は、冠動脈の動脈硬化と冠動脈のけいれんの2つに大きく分けられます。狭心症には、特徴的な症状が現れるものや、ほとんど症状が現れないものなど、さまざまなタイプがあります。できるだけ早期に発見し、それぞれのタイプに合った適切な治療を行っていくことが重要です。

心不全

心臓は収縮と拡張を繰り返し、全身に血液を送るポンプの役割をしています。このような心臓のポンプとしての機能が低下した状態が心不全です。心不全には突然起こるもの(急性心不全)と、心臓の機能が徐々に低下する慢性心不全があります。心不全は、息切れがする、疲れやすいなど「年のせい」とされがちな症状が起こります。だるい・疲れやすい・手足が冷えるなどの症状は血液を十分に送り出せないことで起こります。また、心臓へ血液が十分に戻らなくなると、体のさまざまな部位に血液が停滞します(うっ血)。息切れする、疲れやすいなどの変化があるときは、心不全の可能性も考えて早期の受診をお勧めします。

不整脈

心臓は一定のリズムで収縮と拡張を繰り返しています。このリズムが乱れ、速くなったり遅くなったりするのが不整脈です。不整脈は脈の乱れ方によって3つに分けられます。


  1. 期外収縮
    一定のリズムから外れ、想定されるよりも早いタイミングで収縮する。(基本的には治療の必要はありません。)
  2. 徐脈性不整脈
    拍動のリズムが遅くなったり、一時的に止まったりして心臓から送り出される血液量が減り、息切れやだるさを感じるようになったり、めまいや失神を起こすこともある。
  3. 頻脈性不整脈
    拍動が速くなると動悸や胸苦しさを自覚するようになり、血圧が下がったり心不全を来たす事があります。頻脈の種類によっては、心停止が起こり突然死に至ることもあるので注意が必要です。

生活習慣病

生活習慣の乱れが主な原因として起こりうる病気全体のことを生活習慣病と言います。


  • 糖尿病
    血液中の血糖値が上昇し、尿に糖が出る病気です。
    原因:高カロリーな食生活の継続、日常の運動不足やストレスがあげられます。
  • 高脂血症
    コレステロールや中性脂肪といった血液中の脂肪が過剰となった状態をいいます。
    原因:遺伝、糖尿病、脂質の摂りすぎなどです。
  • 高血圧
    血圧が高くなった状態をいいます。
    原因:遺伝や食事、肥満など。また腎臓の病気やホルモンの異常などで起こることもあります。
  • 動脈硬化
    動脈壁にコレステロールなどの脂肪がたまり、壁の膜が厚く、固くなる状態をいいます。血液の流れが悪くなり、脳や心臓に様々な病気を引き起こす要因にもなります。
    原因:喫煙、糖尿病、高血圧症、運動不足、肥満、高脂血症、ストレスなどです。